インコちゃんの痛風

インコちゃんの痛風 — 症状・原因・予防法

意外に思われるかもしれませんが、インコちゃんも人間と同様に「痛風」を発症することがあります。一般に「風が吹いただけでも痛い」と表現されるほど強い痛みを伴うためこの名前が付けられていますが、小さな体のインコちゃんにとっては非常に深刻な病気になり得ます。

主な症状

痛風を発症したインコちゃんでは、足の関節や指、場合によっては翼の関節に「結節(こぶ)」ができることがあります。これにより関節部が腫れて固くなり、歩行・止まり木に止まる・着地などが困難になって、普段と違ってケージの底でじっとしている時間が増えたり、止まり木に乗りたがらなくなることが多く見られます。

病態と危険性

痛風は体内に尿酸結晶がたまり、局所で強い炎症を引き起こす病気です。インコちゃんが痛風を起こす場合、同時に腎臓機能が悪化していることが多く、放置すれば命に関わる重篤な状態に進行することがあります。実際に「止まり木から落ちてケガをした」と受診したところ、痛風と診断されるケースも報告されています。

考えられる原因

原因としては主に代謝や栄養バランスの乱れが挙げられます。シード中心の偏食で蛋白やプリン体が過剰になると尿酸値が上がりやすく、腎臓に負担がかかります。また水分摂取が不足すると尿酸が排泄されにくくなり結晶化しやすくなります。さらに高齢や腎疾患の既往があると発症リスクは高くなります。

具体的な予防策

  • 食事の見直し:シードだけでなく、小松菜・チンゲン菜・豆苗などの青菜を毎日適量与え、ビタミン・ミネラルを補う。
  • 蛋白管理:おやつや高タンパク食の与えすぎを避け、総たんぱく量をコントロールする。
  • 水分管理:常に新鮮な給水を用意し、特に乾燥時期や高温時はこまめに交換する。
  • 運動と環境:放鳥時間を確保し、適度に飛べる・動ける環境で代謝を促す。
  • 定期検診:小鳥専門の獣医での健康チェックや必要時の血液検査で腎機能や代謝状態を把握する。

飼い主さんへのメッセージ

インコちゃんのちょっとした行動変化(止まり木を嫌がる、ケージ下で過ごす、びっこを引く等)は見逃さないでください。少しでも異常を感じたら自己判断せず、速やかに獣医師に相談することが、インコちゃんを守る最短の方法です。早期発見・早期治療で予後は格段に良くなります。

(注)本記事は一般的な情報を基に作成しています。個々の症例については必ず獣医師の診断に従ってください。

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